1.品種選定
・播種時期を確認します。
・その中から期待する効果の高いものを選んでください。
特に線虫対抗作物は、問題になっている線虫種を把握することが重要です。
また、除塩効果を期待する場合にはイネ科緑肥が適します。
2.播種方法
散播については手掻きも可能ですが、特に大面積ではブロードキャスターやライムソーワが有効です。
発芽を良好にするため、また鳥害を軽減するためにも、ロータリーやドライブハローでの履土、ローラー鎮圧をしてください。
履土厚は、ソルゴーやクロタラリアなどの大粒種子で3~4cm程度、ギニアグラスやミレット類については軽くかき混ぜる程度が理想的です。
また、各種播種機の使用も可能で、履土作業が省略できます。
雑草抑制や線虫抑制を目的とする場合には、条間を20cm以内にすると良いでしょう。
ハウスでは、播種前後に十分に灌水しておくと、すき込みまでの水管理が不要です。
特に、雑草抑制や線虫抑制を目的としている場合には、地表を速やかに緑肥で覆うことが成功の決め手です。
薄播きや、播きムラは雑草の発生そのものを許すだけでなく、雑草で線虫が増加する可能性を与えてしまいますので、播種は適期に適量をムラなく行ってください。
3.すき込み方法
すき込み時期は、品種やトラクターの馬力にもよりますが、イネ科は出穂始期、マメ科は開花始期がすき込み晩限です。
一般的に開花後は炭素率が高くなり、分解に時間がかかります。
すき込みはロータリー耕が一般的です。
有機物量が多い場合には、1回目に生育を止める程度の浅がけ、以降7~10日おきに2回程度のロータリー耕を行うなかで、徐々に所定の耕深まで下げると良いでしょう。
事前にハンマーナイフモアー等で細断しておくのも有効です。
また、プラウ耕は長大作物のすき込みに有効ですが、特に作土の浅い圃場では心土が上がってこないように深さを調節してください。
4.後作までの腐熟期間
後作の播種や定植は、すき込みから20~30日後に行ってください。
新鮮有機物をすき込むと、直ちに分解が始まりますが、まず土壌水分によって水溶性の糖が遊離し、糖糸状菌(苗立ち枯れ病を引き起こすピシウム菌がその一種)が爆発的に増殖します。
また、植物体が分解される際、有害物質(フェノール性酸等)が生じます。
この間の作付けは生育障害が起こりやすいので控えてください。
開花期以降にすき込むと、一時的に窒素の取り込み(窒素飢餓)が起こることがありますので、十分腐熟期間をおいてください。