キトサンはカニやエビの殻、昆虫の外殻などに含まれる動物性の食物繊維のキチンという物質から抽出される生物資源(バイオマス)です。その機能や性質に素晴らしい効果があり、農産物をはじめ医療薬品、食品、化粧品、汚水処理など多方面に利用されています。

無農薬トマト

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たとえば手術用縫合糸や人工皮膚はキトサンで作られます。これらの医療用素材は使用するときにはしっかり生体を守りますが、生体が回復したときにはその役目を終え、分解して生体に吸収され自然に消滅します。

あらゆる分野でその効果が認められているキトサンですが、もちろん園芸や農業にもその効果が期待できるものです。

べニズワイの甲殻から精製したキトサンは肥料とも農薬とも違うものです。しかしその効果は肥料や農薬と肩を並べます。しかも天然素材なのできわめて安全です。

安全な農作物栽培は全国的にも関心が高まっており、有機栽培の定義はJAS法で厳しく規定されています。しかし手間のかかる有機栽培であっても生産性は向上させなければなりません。この相反する条件を克服するために、キトサンは減農薬、有機栽培の有効な資材として大変注目されている天然の物資なのです。キトサンは生産性向上に役立つため、近代農法には欠かせない資源となっているのです。

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