リン酸は果樹園には欠かせない肥料です。しかし多くの果樹園ではすでに承知のことであり、むしろリン酸は土壌に蓄積しすぎているところが多いのです。
そういうところにさらに過りん酸石灰や熔成りん肥を施しても資源の無駄遣いになります。
そういった、果樹園ではまず苦土(マグネシウム)を施すことをお勧めします。マグネシウムは固定化されたリン酸を土壌から開放し、植物に吸収されやすくします。
長年リン酸を施された圃場は微量要素が不足し、生理障害を起こす寸前であることも多くあります。そんなときにも苦土は役に立ちます。まずは苦土を施し土中のリン酸が吸収されるかどうかを確認しましょう。
リン酸が効き始めると、果実の数量のみならず着色でその効果が確認できます。たとえばリンゴの場合、鮮やかな着色は日照のせいと長年言われてきましたがそうではなく、リン酸の効果であることがわかってきました。やはり果実にとってリン酸の効果は絶大なのです。
バットグアノはリン酸肥料ですが、土中に固定化されにくい成分を併せ持ったリン酸肥料なので、多く施しても安心な肥料です。マグネシウムも多く含まれていますので、圃場の改善にも役に立ちます。花の数や着色にリン酸の効果が確認できたら、次の段階としてチッソ分を増強することを考えましょう。リン酸が確実に効く圃場になれば、チッソ分を増やすことで必ず増収につながるからです。
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