[406]バチルス菌と光合成細菌の違い

最近、微生物資材の問い合わせに「好気性ですか?」あるいは「嫌気性ですか?」とマニアックなお客様が多いのです。

そのとおりで微生物には好気性のものと嫌気性のものとがあります。
当然その性質は異なります。

好気性とは酸素を好むもの。
酸素を使って代謝をし二酸化炭素を出します。

嫌気性とは酸素を嫌うもの。
二酸化炭素を使って酸素を出します。

※かなりアバウトな説明です(笑)

好気性の代表格は「バチルス菌」
嫌気性の代表は「光合成細菌」です。

バチルス菌液

このコラムは農業園芸に役立つ情報を提供しているので、これらの微生物がどう役に立つのか?をお話いたします。

好気性微生物の活躍の場所はというと?

酸素を使って有機物の分解をしますので、ぼかし肥料や堆肥の製造、サッチ(芝生のカス)の分解などを得意とします。

これらを分解したあとは無機物を分泌するので、これが土壌中に増え、肥料として植物に役立ちます。

好気性の微生物が活躍すると、土壌中の酸素を消費し、二酸化炭素が増えるという結果に。

ところが、酸素が少なくなった状態で、更に好気性微生物が活動すると、有機物分解途中で、硫化水素やメタンガスなどを放出し、根に悪影響を及ぼすようになります。

こういう状態を腐敗型土壌といいますが、これを解決するのが嫌気性の光合成細菌です。

光合成細菌

光合成細菌は土壌に増え過ぎた二酸化炭素や硫化水素、メタンガスなどを取り込み、アミノ酸や高エネルギーのりん酸を分泌します。
これらは植物にとって有用なものですので、植物が元気になるというわけです。

好気性の微生物と嫌気性の微生物は両極にいるように思えますが、じつは共に連携しているので、植物の生育環境をよく見極め、適材適所に「ココは好気性」「ココは嫌気性」と使い分けるといいと思います。

好気性の微生物資材「バチルス菌液」
嫌気性の微生物資材「光合成細菌」

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