[390]実生系と栄養系
園芸店やホームセンターでは春の花盛り。
いろいろな花が並んでいます。
その花の価格やPOPに「栄養系」という文字が書かれていることがあります。
「栄養系だから色鮮やか!」
とか。
「栄養系ってなんだ?栄養豊富??」
と思っちゃいますよね。
栄養系というのは園芸業界用語で、挿し芽や挿し木、生長点培養(クローン)などで増やした植物を言います。つまり栄養繁殖。
交配によらない繁殖なので無性生殖です。
これの反対語が実生系。
種子で増やした植物を言います。
こちらは有性繁殖。
栄養系と実生系の違いは?
栄養系は優れた品種をそのまま複製するので、同じ性質を持ちます。
花色が良い、花形が良い、香りが良いなど、優れた性質をそのまま受け継ぐので、高く売れます。
一方で、実生系は、自然交配でできた種から育った植物ですので、親と異なった性質を持ちます。それがまた個性なのですが、ばらつきがあるので商売的には難しくなります。
サントリーなどで開発されている花苗はほとんど栄養系です。
きれいな花が多いですが、植物パテントの関係でこれを無断で挿し木挿し芽などで増やすことはできません。
(営利非営利問わずNG)
実生系はいわゆる雑種ですので、丈夫です。
しかも野生的な趣があり、価格も安価です。
広い花壇を彩るには、実生系がよろしいかと思います。
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