[270]緑肥と炭素率(C/N比)
前回、炭素率(C/N比)の話しをしました。
炭素率(C/N比)の高いものをすきこむと、それを分解するに必要な窒素が足りなくなり窒素飢餓になると。
炭素率が高いもの、というと簡単に言うと木がそうです。
炭素率が低いもの、といえば簡単に言えば柔らかい草がそうです。
木は土に埋めてもなかなか分解しませんよね。
でも草はすぐに分解する。
この差は炭素率(C/N比)のせいです。
この理屈を緑肥に当てはめてみます。
たとえば、硬盤破砕で人気のセスバニアロストアラータという緑肥種子があります。これを播くと、草丈3mにもなり、根は深く2mに達します。
この根が硬盤破砕に役立つのですが、これをこのまま放置しておくと、植物自体の炭素率がどんどん高くなります。
つまり草ではなく木みたいになってしまうのですね。
セスバニアの栽培期間は50~60日程度です。
これ以上長くすると炭素率が大きくなって、すきこみが難しくなります。
後作物で窒素飢餓も起きやすくなります。
緑肥目的なのに肥料が必要という、本末転倒事態。
また、放置すれば種子がこぼれて雑草化のおそれもあります。
セスバニアは早めのすきこみがおすすめです。
すでに繁茂してしまった場合で後作の予定がない場合は、現状のすきこみは骨が折れると思いますので、こぼれ種で来季芽吹いても、背丈1mくらいの柔らかい時に鋤きこめば硬盤破砕とともに良質の緑肥となります。
セスバニア ロストアラータ|窒素固定|硬盤破砕|マメ科【1kg/約250平方m用】
クロタラリア|窒素固定|線虫抑制|硬盤破砕|マメ科【1kg/約200平方m用】
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