[267]キスジノミハムシ対策に緑肥を使う
キスジノミハムシという害虫がいます。
キスジノミハムシは体長約3mmほどの甲虫でノミのように跳ねるのでノミハムシという名前がついています。
秋冬野菜のダイコン、ハクサイ、カブ、コマツナ、チンゲンサイなどアブラナ科の野菜に好んで寄生する厄介な虫です。
成虫は葉を、幼虫は根を食害するので、ダイコンなどの根菜は被害が深刻です。
幼虫が食害した痕が網目状に残り、売り物になりません。
この被害を避けるには、対策としてまず農薬があります。
農薬を使いたくない場合は、物理的に防虫ネットで成虫の侵入を防除します。
その場合は目合い0.6mm以下のものを使用します。
もうひとつの方法。
それは緑肥です。
キスジノミハムシ忌避に効果のある緑肥牧草がじつはあるのです。
エンバク ニューオーツです。
エンバクは燕麦とも書き、麦に似たイネ科の植物。
その辺の野山に雑草として普通にはびこっている植物です。
これがなんと、キスジノミハムシ忌避に効果があるのですね。
エンバクにはキスジノミハムシに忌避的効果を持つ1-ヘキサコサノールという成分が含まれおり、これが効果を発現します。
エンバク ニューオーツは、播き時は春、晩夏、秋まきの3季まきができる万能品種ですが7月~8月の盛夏には播種できません。
また、忌避効果を得るにはある程度の生育期間が必要ですので、秋冬のカブ、ダイコン栽培に備える場合は、春播き、初夏播きを行い、十分な生育期間を設けてください。少なくとも2ヶ月は必要です。
生育期間が取れないときは、来期の計画事項として、今期は農薬で対応しましょう。
なお、エンバク類はキスジノミハムシのみならずキタネグサレセンチュウの密度も抑制します。
緑肥としても細茎品種で、すきこみやすいので初心者にも優しい。
緑肥は手間や時間はかかりますが、安価で安全、しかも肥料にもなる優秀な資材です。
ぜひ緑肥をご活用ください。
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