[10]読者Q&A『ミカンの減農薬栽培に使いたいが?』
◆読者からの質問
ミカンの散布にキトサン溶液を使いたいと思っているのですが、害虫駆除にどれくらいの効果がありますか?
またハダニなどにも効果があるのか教えて頂きたいのですが。
私たちも減農薬でミカン栽培に取り組んでおり、すごく興味がありお尋ねしょうと思いメールいたしました。
◆たまごやの回答
お便りありがとうございます。
まず、キトサンですが、キトサンは植物の抵抗力を高める効果があり、結果的に病害に対する耐性が増す効果がありますが、害虫駆除には直接は効きません。病害と虫害を分けて考える必要があります。
キトサン溶液は植物の光合成能力を高める機能がありますので、チッソ過多に原因する障害を抑える働きがあります。しかし、キトサンが直接病害を抑制するわけではありません。予防を兼ねて使用する間接資材としての効果を期待します。ミカン類へのキトサン溶液葉面散布の濃度は400~1000倍をとします。濃度が濃いと葉が傷むことがあります。
使用必要量は果樹約50本当たり10リットルとして計算してください。
直接虫害を減らしたいのであれば、環境改善資材としてニームオイルをお使いいただくことをおすすめします。熊本県や宇部市の自然農法の農家で柑橘、桃、苺の害虫対策にニームオイルを使い、効果を得ている例があります。ただし、これも農薬のように強力な即効性があるのではなく、年間を通じて計画的に散布を行なった結果です。障害が出てから使用するのではなく、障害が出る前から予防的に使った結果だと思います。
ニームオイルの散布は300倍、500倍、1000倍など様子を見ながら散布します。最初は10日に1回施工し、様子を見ながらして間隔を伸ばします。ニームに含まれるアザディラクチンは昆虫に作用し、徐々に障害を減らしていきます。植物によっては農薬なしに近い状態で栽培できるという報告もあります。
ちなみに予防と増収を狙うのならば、土壌を劇的に改善する「トーマスくん」もご検討ください。ネットではなかなか買えない資材ですが、当店がはじめてネット販売を開始しました。土壌が健全であれば障害に悩むことも少なくなります。
キトサン溶液(植物を元気にする)
ニームオイル(有効成分が環境改善)
トーマスくん(土壌改良に)
以上、樹勢をよく観察し、状況を判断なさって処方してください。