[582]菜種油かすの原料は遺伝子組み換えですか?
『菜種油かすの原料は遺伝子組み換えですか?』
よくあるご質問です。
他にも「大豆油かすの原料大豆は遺伝子組み換えですか?」というご質問も多いです。
結論から申し上げれば、いずれも「遺伝子組み換えの原料」が使われている可能性が高いです。
日本に輸入されている菜種は不分別品です。
不分別とは、遺伝子組み換えのものと組み換えでないものとの分別をしていない→つまり遺伝子組み換えのものが混ざっているということです。
スーパーの食用油売り場に行って「キャノーラ油」のボトルの裏面の原料表記をみてください。
ほぼ「不分別」となっているはずです。
このキャノーラ油を搾った残りかすが、菜種油かすです。
では、遺伝子組み換えでない菜種を原料とした油かすはないのか?
ほぼ、ありません。
全くないことはないと思いますが、国内での栽培でそれの種を採取し、油を搾り、その粕を油かすとして販売している業者もあると思います。
ただし、流通量が少なく、ほぼ入手困難です。
なので、園芸店やホームセンターで売られている菜種油かすは遺伝子組み換えの原料が含まれているといっていいでしょう。
で、その安全性ですが、遺伝子組み換えの肥料を使って弊害が出た、というデータは今のところありません。
油かすを肥料として使う場合、土壌に散布します。
土壌内では微生物や水分、酸素、酵素によって分解されます。
遺伝子の構成物質はアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類の塩基ですが、この塩基は窒素Nと水素Hでできているため、分解すると水素Hは空気中に飛散、窒素分Nが残ります。
これがまさに窒素肥料して使われることになります。
遺伝子組み換えとはいえ、ここまで分解されているものに「遺伝子を組み替えたことによる」実害があるとは考えにくいです。
有機栽培の現場では遺伝子組み換え技術の使用原料は使えないこととなっておりますが、それでは調達が困難となるため、経過措置として使用が認められています。
なので、現状では菜種油かす、大豆油かすは原料不分別であっても有機栽培に使ってよいことになっております。
《ポイント》
・菜種油かすの原料菜種は遺伝子組み換え不分別
・有機栽培の肥料として原則遺伝子組み換えの肥料は使えない
・特例として大豆油粕、菜種油かすは経過措置として有機栽培に使用が認められている
・遺伝子組み換えの肥料を使って実害がでたデータは無い