[561]カビ菌の細胞膜分解にキチナーゼを活用する
ピシウム菌というカビ菌が存在します。
土中に普通にいる菌で、水中や海中にも存在します。
圃場に於いてピシウム菌が旺盛になると、いろいろな悪さをします。
主な病害は苗立枯病、根腐病、腐敗病。特にウリ科、ナス科、アブラナ科の野菜類やホウレンソウなどで問題となります。
根腐病、腐敗病を起こすものとしてはミョウガ、ショウガ、ミツバ、ホウレンソウ、アブラナ科の野菜類に発生しやすいです。
ピシウム菌はカビ菌ですので、カビの細胞表皮にあるキチン質を分解するキチナーゼを効果的に使うことで、被害を軽減することができます。
#キチナーゼ(Chitinase)は、キチンを加水分解する酵素です。キチンは菌の細胞壁や、節足動物や蠕虫(ぜんちゅう)などの外骨格を形成する成分です。
キチン質を分解するキチナーゼの生成を目的とする場合は低分子キトサンを散布します。養液栽培の場合は養液中に流します。
#実験では中分子キトサンより低分子キトサンのほうがキチナーゼ生成量が多いという結果があるため。
キトサンは農薬ではないので、病原菌を減じると公言することはできませんが、キチナーゼの効果でカビ菌を減らす(溶菌)ことは実証されておりますので、研究熱心な農家さん、ぜひ試してみてください。
◆【即効性】キトサン溶液(低粘度・低分子2%・葉面散布促成用)【1L容器】
[使用方法]
葉面散布…300-500倍希釈液
土壌潅注…100-150倍希釈液
・新芽が出るころに300-500倍液を葉面散布すると立ち上がりがよくなります
・萌芽1ヶ月前に土壌に100〜150倍希釈で潅水
・花物の鑑賞直前まで毎月1回位使用
・病害が出やすい4-8月は週一で葉面散布
《ポイント》
・カビ菌由来の病害防除にはキトサンのキチナーゼ効果を活用する
・キトサンは低分子のものが良い
・苗立枯病、根腐病、腐敗病に効果あり
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