[537]塩化カリはなぜ「赤い」?
塩化カリという肥料があります。
化学式 KCL。
塩素とカリウムの結合物質です。
カリウムは植物の生育に最も必要な三大要素のうちの一つ。
#三大要素=窒素(N) リン酸(P) 加里(K)
カリウムは植物の細胞膜、骨格の形成に使われており、茎を硬くして稲穂の倒伏防止や、害虫の食害防止に効果があります。
植物を燃やして得られる草木灰はカリウム肥料として古くから用いられますが、これは植物の骨格にカリウム分が含まれているからです。
さて、そのカリウムですが、安価に得られるのが塩化カリ。
原料は【海水】そして海水が古代に封じ込められ固化した【カリ岩塩】、それと【化学的に合成した塩化カリ】も生産できるため、原料コストも安く、よく流通しています。
このうち、海水や化学合成の塩化カリは、白色の塩化カリです。
ところが、園芸店で売られている塩化カリは赤い粒状です。
これはどういうこと?
赤い塩化カリは、原料をカリ岩塩に依存しています。
このカリ岩塩は古代海水が封じ込められるときにいろいろな不純物を内包するため、その不純物に由来する発色があります。
赤い塩化カリの赤い色は「赤鉄鉱の包有のため」です。
ちなみに、赤い塩化カリも水によく溶けます。
赤い成分は幕のように分離し、水溶液は透明です。
白くても赤くても塩化カリは、同じ塩化カリ。
【有機JAS適合資材】になっている塩化加里もありますので、有効に利用したいものです。
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