以前、ミネラルとしての「鉄」光合成に欠かせない大事な要素であるという話をしました。
そして鉄には二価鉄(Fe2+)と三価鉄(Fe3+)があり、植物としては二価鉄のほうが吸収しやすい、という話です。
二価鉄資材には鉄力あくあなど優れた製品もありますが、今回は自分で二価鉄を簡単に作る方法をご紹介します。
方法は「鉄くずとタンニンを混ぜる」だけ。
鉄くずは錆びた釘や古い工具、ペンチやのこぎりなど使わなくなった道具でも大丈夫。
で、問題は「タンニン」
これをどう手に入れるか?
タンニンは植物が持つ渋みの成分(ポリフェノール)で、渋柿はこのタンニンのせいで渋い。
渋柿はなぜ渋いのかというと、果実の中のタネが成熟するまで、鳥や虫に食べられないようにするためです。
この渋さ(=タンニン)が虫除けや防腐になるので、柿渋は塗料として重宝されるのです。
折しも、まもなく新緑の季節。
この時期の若葉や果実は渋みたっぷり。
茶葉、栗の新葉、熟していない果実、豆柿などを手に入れましょう。
これらの渋い物たちをつぶし、水で溶きます。
そこに鉄くずを投入します。
すると、段々水が黒くなってきます。
この状態がタンニン鉄。
黒さの状態にもよりますが、播種、定植前には圃場全面に原液を播きます。
大きい圃場の場合は3倍希釈位で散布します。
タンニン鉄は日持ちしませんが、効果はてきめん。
食味向上、品質向上、病害予防是非お使いください。
タンニン鉄を作るのが面倒、という横着な人(笑)はこちらをどうぞ!