定植前の土づくりは、まずたい肥を投入しますよね。
たい肥は有機物ですので、微生物のエサになります。
エサを与えられた微生物は活発に活動し微生物層が改善され、その結果土壌も改善されるのです。
たい肥の投入は有機物の補給として考えますが、含まれる成分は窒素のほか、リン酸加里も含まれています。
牛ふんたい肥の場合は、毎年1トン/10aあたり投入していると、だんだんリン加里が蓄積されていきます。
しまいには、リン加里過剰になって、土壌バランスが崩れ、作物の生育にも影響していきます。
毎年投入する場合は、翌年は2-3割ほど減らしたほうがよろしいと思います。
一方で牛ふんたい肥の窒素含有率は、1%ほど。
しかも分解が遅いことから、肥料成分の供給はあまり期待できません。
つまり、牛ふん堆肥を毎年投入し続けると、窒素は不足、リン加里は過多となってきます。
しかし、このリン加里ですが、そのうちのリン酸は日本国内での調達は難しく、ほぼ輸入に頼っているのが現状。
持続可能な農業としては、牛ふん堆肥に含まれるリン酸を活用しない手はありません。
また、牛ふん堆肥に含まれるリン酸は可給態となっており、固定化されておりませんので、十分肥料として活用できるのです。
牛ふん堆肥を投入してリン加里過多になってしまったなら、窒素のみを投入すればバランス取れます。
窒素のみでリン加里を含まない肥料例
・尿素(化学肥料)
・硫安(化学肥料)
・BG有機窒素(有機質肥料)
なお、たい肥を減らした分、腐植酸を投入することをお勧めします。
腐植酸は40-50kgほどで、牛ふんたい肥1トン分に相当するくらいの「腐植酸」を補給することができます。
◆今回のポイント
・毎年のたい肥の投入はリン加里蓄積になる
・たまったリン加里は利用可能
・窒素は足りなくなるので窒素のみ必要分補給する
・たい肥を減らした分、腐植酸を補給する
【関連資材】
《窒素のみの肥料》
◆【粒状】尿素-窒素46%-【20kg】
◆[細粒] 硫酸アンモニア(硫安)【20kg】
◆BG有機窒素(蒸製皮粉+混合有機質肥料)【20kg】
《腐植酸の補給》
◆粒状・腐植酸【20kg】保肥力の改善と団粒構造の形成
・約40-50kgの使用で、堆肥約1トン分の腐植酸が速やかに補給できます。