たい肥と言えば、まず牛ふんたい肥が挙げられます。
そして、馬ふんたい肥、とんぷんたい肥、鶏ふんたい肥などいろいろ。
たい肥は土壌の腐植化を促進し、また肥料の三大要素のほかに微量要素が多量に含まれています。
この微量要素は増収、品質の向上、収穫の安定などに効きます。
たい肥を施用することにより、ふかふかで、通気性がよく、保水性、排水性などに優れた土壌ができるのです。
ということで今日は代表的なたい肥「牛ふんたい肥」について述べます。
この牛ふんたい肥ですが、厩舎から出る牛ふんに、おがくず稲わらなど混ぜ、発酵させて作ります。
牛ふんたい肥いうと「臭いのでは?」と思いがちですが、完熟発酵しているので臭いはありません。というか土の匂い?
そもそも、牛ふんたい肥というと、牛糞メインと思いがちですが、そうではなく、メインはおがくずや木材チップ、稲わら、もみ殻だったりします。
これらのおがくず類は、炭素率が高く、分解しにくく、そのままではたい肥になかなかなってくれません。
※ただ積みあげただけでは分解に3年くらいかかる
※炭素率(C/N比)=有機物などに含まれている全炭素(C)量と全チッソ(N)量の比率
そこで発酵助剤として牛糞や馬糞、鶏糞などを添加するのです。
これらの動物糞は動物体内で消化発酵されており、微生物が豊富です。
この微生物の力を借りて、たい肥化します。
混合して数か月で完熟たい肥が出来上がります。
たい肥化の過程では、初期の好気性発酵で65℃以上になり、この温度ではたんぱく質が変質するので、雑草のタネや、病原菌は死滅します。
また、微生物の働きで木質繊維質部分は分解され、当初炭素率は40以上ありますが、20くらいにまで下がります。これがたい肥がされている数値目安になります
※炭素率の高い未熟たい肥は、肥効に時間がかかるし、窒素飢餓が起こります
よく、なまの牛ふんを牧場からタダでもらってきて、それをそのまま畑に投入する農家さんがいますが、これをやったら大変。
生糞ですから、畑で発酵、その状態ではガスや熱で定植できません。
また病原菌やハエなどが大量発生してまず3年は使い物になりません。
畑に投入する場合は、必ず発酵済みの完熟たい肥を投入しましょう。
目安は炭素率⇒20です。
土のちからたい肥なら安心して使用できます。
※海藻源肥を混合するとさらに効果的!