[519]銅イオンの殺菌力を利用したICボルドー液
銅は毒性があり、昔から殺菌剤として使われてきました。
よく台所の流しのゴミ受けに10円玉を入れておくとヌメリがなくなるといわれます。
10円玉は銅でできているので、その銅イオンが殺菌作用をもたらし、ヌメリを防ぐからなんです。
この銅の殺菌作用を生かした殺菌剤があります。
ICボルドーです。
ICボルドーは石灰とその銅を化合して作られた殺菌銅剤です。
銅に石灰を配合し、石灰の働きで銅の毒性を緩和し、安全に使えるようにした農薬です。
◇銅の殺菌メカニズム
- ICボルドーを散布するといったん乾いて白い皮膜を形成し表面に保持
- その後の雨、霧、有機酸などにより銅イオン(Cu2+)を放出
- 銅イオンが病原体に吸着・透過し原形質のSH化合物と結合し酵素系を阻害
- 病原菌の生理機能を焼失させ病原菌は死滅
ICボルドーの使い方ですが、基本は「予防」。
病害が発生する前に散布しておくことで、被害を軽減させることができます。
またICボルドーは【有機JAS適合農薬】ですので、有機栽培に使用できます。
※資材証明書発行可能
ところでICボルドーは3製品ありますが、有効含有成分量の違いだけで、基本ボルドー液です。
ICボルドー66D(等量式ボルドー)塩基性硫酸銅28.1%(銅:含有量3.7%)
ICボルドー48Q(培量式ボルドー)塩基性硫酸銅31.2%(銅:含有量2.5%)
ICボルドー412(3倍量式ボルドー)塩基性硫酸銅35.0%(銅:含有量2.0%)
#3培量式⇒3倍希釈で使うという意味でありません。
#硫酸銅1に対して生石灰3倍量で製造、という意味です。
農薬は適用作物が細かく決められておりますので、該当する作物に適したものを選んで使うようにしましょう。
ご参考:
ICボルドー66Dd規格
分類:殺菌剤
登録:農林水産省登録第18645号
有効成分:塩基性硫酸銅28.1%(銅としての含有量3.7%)
:水、界面活性剤等71.9%
性状:青色水和性粘稠懸濁液体
毒性:普通物
魚毒性:B類
有効期限:約3年
メーカー:井上石灰工業株式会社