この時期、田んぼの除草に役立つと、醸造酢が売れています。
醸造酢といっても使うのは食品加工用の高酸度醸造酢。
酸度(酢酸濃度)が10%のものと15%のものがあります。
もともとは加工食品用ですが、この高酸度がコナギ除草に効果的です。
コナギとは?
5~11月ごろにかけて生育する一年生のミズアオイ科広葉雑草。
草丈は10~40cmでハート型で光沢のある厚めの葉が特徴。
繁殖力が強く一度に発生する量が多く、土の栄養分をたくさん吸ってしまうのでイネの生育に大きな影響を及ぼします。
このコナギ除草には、
酸度は2%に調整します。
酸度10%のものでしたら5倍希釈。
酸度15%のものでしたら7.5倍希釈。
酸度15%のものが総量として少なくて済むので、お得かも。
酸度を2%より濃くすると稲の生育に影響しかねません。
また薄すぎても除草効果が薄れます。
酢酸による「濃度障害」を使用するため、『イネには影響なく、コナギには影響する』濃度は2%。
その「2%厳守」がポイントです。
この希釈液を噴霧器でコナギにまんべんなくかかるように散布します。
効果は早ければ15分ほどで見えるとのことです。
散布のポイント
・回数は2~3回でOK
・希釈水の温度は高い方が効果が出やすい
・噴霧器は除草剤用のものを使うとよい
※微細の霧では濃度障害の効果が落ちる
・日中暑い時期に散布する
※葉についた食酢が蒸散し濃度を高めるので効果が出やすい。
・落水して雑草の水分を減らしたうえで使用するとより効果がでやすい。
・食酢は有機栽培で使用できる。
・適応草種が多い。
※タデ科、カヤツリグサ科、ミズアオイ科、オモダカ科、豆類(クサネム)など
注意点:
・作用は地上部に限ります。
※根まで枯らしているわけでは無いのでいずれ再生します。
・酢は炭水化物やアミノ酸が少ないものを選ぶ。
・出穂前の稲には多少かかっても影響ありませんが、出穂後の穂に酢がかかると、枯れたようになることがあるので、穂にかからないよう丁寧に散布してください。
コナギのみならずコウキヤガラ、ホタルイ、オモダカにも効果があるとのこと。
田んぼの雑草取りは労力がかかりますが、酢をまくだけの簡単作業ですので、省力化にもなることでしょう。