農薬を減らして栽培するのことを減農薬栽培といいますが、そもそも農薬は手間のかかる農業を省力化するために生まれてきたもの。
ですから、用法を守って正しく安全に使えばなんら問題ありません。
しかし、そうはいっても「農薬はなるべくなら使いたくない」というのが世間一般の風潮です。
そこで知恵を絞って登場したのが、土着の天敵昆虫を使って防除する方法です。
土着の昆虫を使うので、安心安全。しかも手間いらず。
活用すべきは、天敵温存植物の利用です。
例えば、害虫の「アブラムシ」。
樹液を吸い作物を弱らせたり、病気を媒介する、きわめてメジャーな害虫です。
アブラムシは対応する農薬は山ほどありますので、それらを使えば簡単に防除できます。
しかし、農薬を使わずに防除、となると意外と手段がないのです。
#必殺の「ヨメノテ」「テデコロース」を使う?(笑)
#いやいやこれらは芋虫には効果的ですが「アブラムシ」はちっちゃくってとても無理(笑)
そこで利用したいのが、土着天敵のショクガタマバエです。
ショクガタマバエは日本どこにでもいる昆虫ですが、これがアブラムシを捕食してくれます。
そのショクガタマバエを寄せて温存してくれるのが「ソルゴー」です。
ソルゴーはサトウキビに似たイネ科の植物。
よくナス畑の周囲にぐるっと植わっているサトウキビみたいなものを見かけたこともあると思います。
あれがソルゴーです。
背が高いので防風や周囲への農薬飛散防止にも使われる便利な緑肥です。
なお、ソルゴーは同じくアブラムシの天敵「クサカゲロウ」「ヒラタアブ」も温存してくれます。
アブラムシに限ってはほとんど農薬散布の必要がなくなります。
また役目が終わったソルゴーは有機物として鋤きこんで緑肥にもなります。
害虫を自然の力で防除し、最後には肥料にもなる緑肥ソルゴー。
使わない手はないですね。
《ナス栽培のソルゴー利用例》
播種量:ソルゴー300g/10a
播種時期:4月下旬~6月上旬
播種方法:ナス畝の周縁に作畝(畝幅90㎝)し、ソルゴーを2条播きします。
ソルゴーの品種:ミニソルゴー
※なお、ソルゴーの種子は10月下旬から翌年2月まで、新タネの入れ替え時期となります。出荷は例年2月以降となります。