440回で菌根菌の話をしましたが、その続きです。
#補足
植物は土中に根を張り、その根を介して土中にある栄養分を吸収します。
それは窒素だったり、りん酸だったり、カリウムだったり、あるいは微量要素だったりします。
土壌の状態が良いと、植物は広く根を張りますが、それでも限界があります。
その限界を補うのが菌根菌です。
菌根菌は真菌でカビやキノコ類と同じ仲間。
菌根菌は植物の根に取り付いて、さらに土中に自分の菌糸を伸ばして領分を広げ、養分を吸収します。
つまり寄生ですか。
菌糸で吸収した養分のうちの一部を変換して宿主の植物におすそ分けします。
植物からみれば、根のエクステンションですか。
こうやって植物は菌根菌と共生関係を持っているのです。
#この菌の持つ構造をアーバスキュラー構造といい、これを総称してアーバスキュラー菌根菌群といいます。
菌根菌は土壌環境の中では多く存在し、そして多くの植物が菌根菌と大昔から長年共生していました。
ところが昨今の農業では、化学肥料+農薬の循環多使用により、土壌の微生物が減ってしまっているのですね。
共生する菌根菌がいないので、定植された植物も寂しげです。
そこで、菌根菌を補給して収量を上げる農業がこれからの農業とされています。
植物の根に取り付き、アーバスキュラーを形成する菌群を総称してアーバスキュラー菌根菌といいますが、このアーバスキュラー菌根菌を配合した資材があります。
マイコジェルです。
マイコジェルに含まれる菌種「リゾファガス イレギュラリス」はアーバスキュラー菌根菌に属する菌種なんですね。
アーバスキュラー菌根は真菌による独特の構造アーバスキュラーおよび小胞の形成を特徴としています。
#Arbuscular mycorrhiza=以前はVA菌根と呼んでいた
根に取り付いて、そこから菌糸を伸ばし、さらに広範囲から養分を集める機能。
だからエクステンション。
マイコジェルに含まれるリゾファガスはアーバスキュラー構造を持つ菌であり、その中のイレギュラリスという菌種が採用された微生物資材です。
#アーバスキューラー菌根菌(群)>リゾファガス>イレギュラリス
アーバスキューラー菌根菌をお探しの方はぜひマイコジェルを使ってみてください。
マイコジェルの使用については注意があり、
- 2週間は他の肥料を使わない
- 開封後2日で使い切る
とあります。
1 については、使える資材もあり、ライゾー、ボンバルディアは大丈夫です。
2 については、開封すると他の雑菌が混入し、本来の性能を発揮できなくなる恐れがあるためなのですが、イレギュラリス菌根菌は頑強な菌ですので、多少の混入ならば問題はありません。通常は開封後2年くらいは顕在するのことです。
なお、アブラナ科の植物はアーバスキュラー菌根とは共生しない性質を持つので、アブラナ科植物には使えません。
アブラナ科以外の植物には効果を発現しますので、ぜひ使って見てください。
使いやすい少量100g品が新発売です。
マイコジェル(MYCOGEL)【100ml】高濃度菌根菌(ゲル状)
マイコジェル(MYCOGEL)【250ml】高濃度菌根菌(ゲル状)
なお、ヒマワリを緑肥として植えるとアーバスキュラー菌根菌群を寄せるため、後作に貢献するとされます。
こちらも要チェックです。