「土が粘土質なので、水はけが悪く、雨が降ると水たまりになってしまう。何とかなりませんか?」
という質問をよくいただきます。
水はけが悪い場所を畑として使う場合は悩ましい問題です。
水はけの悪い場所全体を改善しようとしても、なかなか大変です。
労力のみならずコストも膨大です。
こういう時は植える場所をピンポイントに決めて、そこに高さ10cm以上の畝を作り、そこに定植するしかありません。
芝生の場合はもっと深刻です。
水がたまるところは芝は育たず、水に強い雑草がはびこることになります。
こういう時は、芝が植わるところが小高い丘になるように傾斜をつけて、水がたまらないよう、逃げ道を作ります。
造成前でしたら、芝地設計時点で暗渠(あんきょ)を作ることも視野に入れたほうがいいですね。
ところで、粘土質の土壌は、水はけ悪く、根が伸びにくく、また酸素も不足するので、悪者のように言われますが、じつはそんなに悪者でもないのです。
特筆すべきは、粘土の持つ保肥力です。
保肥力は数値で表すことができ、CEC値で表記します。
CECは人間の身体に例えると胃袋の大きさ、つまり養分を蓄えられる量といえます。
※CECの大きさは meq/100g(ミリエクイバレント)で表されます。
粘土自体はマイナス、肥料分(カルシウム、マグネシウム、カリウムなど)は陽(プラス)イオンなので、ひきつけられて保持する、という仕組みです。
この数値はたとえば…
砂丘などの砂状土:5meq/100g
黒ぼく土:35meq/100g
リフレッシュ(2:1型モンモリロナイト粘土):64.5meq/100g
イタヤゼオライト(沸石):170meq/100g
このように、砂状の土から比べると、粘土質の土ははるかに保肥力が高いことが分かります。
つまり、粘土質の土=肥沃な土
といえるのです。
とはいっても、水はけの悪さはどうしたらいい?
粘土質は肥沃であるという認識の元、対策をします。
粘土質は粒子が細かいため、水を含むとドロドロになってしまい、そのため空気の通り道がなくなり、まずます水をため込むことになります。
そこで空気の通り道として、パーライトや軽石などを混入して、空気層を改善します。
さらに腐葉土や堆肥などを投入すると、空気層と相まって微生物層も育成され、団粒構造ができて健全な土壌が形成されます。
粘土質とお嘆きのあなた!
それは肥沃な土壌なのですよ!
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