・硫酸マグネシウム MgSO4
・硫酸カルシウム CaSO4
・硫酸カリ K2SO4
このように「硫酸なんたら」といった肥料は多くあります。
これらそれぞれ…
・硫酸とマグネシウムが結合した塩 MgSO4
・硫酸とカルシウムが結合した塩 CaSO4
・硫酸とカリウムが結合した塩 K2SO4
です。
※塩=「しお」ではなく「えん」
これらを土壌に撒くと、土壌の水分を得て、それぞれ水溶性の
マグネシウム Mg
カルシウム Ca
カリウム K
になり、それらは肥料として植物に吸収されます。
そして土壌に残るのは「SO4=硫酸イオン」です。
硫酸は植物には吸収されないので、そのまま土壌に残り、土の酸度が下がることになります。
よく酸度が下がる理由に「酸性雨のせい」とか言いますが、じつは硫酸化合物の肥料を毎年投与しているせいだったりします。
酸度が高くて困っている場合は、酸度降下剤を使わなくても、毎年硫酸化合物の肥料を与えていれば酸度は自然と下がります。
逆に、残留硫酸のせいで酸度が下がり過ぎている場合は、石灰を撒くことで中和できます。
強力に効かせたい場合は消石灰(水酸化カルシウム Ca(OH)2)。
穏やかに効かせたいときはカキガラや貝化石などのいわゆる天然の有機石灰(炭酸カルシウム CaCO3)がいいと思います。
化学肥料を長年使っている場合は土壌酸度が下がるので、習慣的に消石灰を使っているようですが、化学肥料をやめて有機栽培に切り替えた場合は消石灰を撒くのは止めましょう。
有機栽培ではそれほど酸度は下がらないので、いままで通り消石灰を撒いたら酸度が上がり過ぎてしまいますので注意が必要です。
そんなときお勧めはやはり有機石灰。
穏やかに酸度調整(下がりすぎた酸度を上げる⇒中性に)し、微量要素も補給してくれます。