[417]酢酸カルシウムのハナシ

まさか、消石灰を撒いて「カルシウム補給完了!」という人はいないでしょうね?:)

カルシウム(石灰)は水に溶けませんから、畑に石灰を撒いたところでカルシウムの補給にはなりません。作物にカルシウムを効かせるには、そのカルシウムが水溶性である必要があります。

水溶性のカルシウムにするには、カルシウムを酸に溶かす必要があります。そう、カルシウムは酸にはよく溶けるのです。

酸といえば、硫酸、塩酸、硝酸、乳酸、酢酸、など色々ありますが、それぞれの酸に溶けたものが、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムとなります。

どれがいいのかというと、一概には言えませんが、農家さんの経験では酢酸カルシウムが効くといわれています。

酢酸カルシウム液

酢酸カルシウム液を作るには、高酸度のお酢に卵の殻や牡蠣殻を溶かし込めば作ることができます。
特に卵の殻が良いのですが、卵の殻は有機物が付着しているため、なかなか溶かすのが難しい。

そこで登場するのが「葉活酢」です。
これは「ようかつす」と読みます。

葉活酢は、普通のお酢ではなく高酸度の食酢に卵殻を溶解して作ったキューピー醸造の葉面散布用カルシウム肥料です。

含まれるカルシウムは植物が利用しやすい水溶性酢酸カルシウムです。これを水でうすめ、葉の表面に散布します。

カルシウムは植物体内で移動しにくいので、ピンポイントに葉面散布がよろしいです。

効果としては

  • カルシウム欠乏に由来する生理障害(チップバーン、葉先枯れ、芯腐れ、尻腐れなど)の防止。
  • カルシウムにより細胞壁が強化され品質、日持ちの良い作物が収穫できる。
  • 酢酸が葉面吸収されることにより植物の代謝が活性化することが期待できる

等々良いことづくめ。ぜひ使いたい資材です。

注意点としてはカルシウムはリン酸と触れると結合し沈殿してしまいます。
沈殿したカルシウムは効きませんので、リン酸の入った肥料と混ぜるのはやめときましょう。

どうしても混合するときは希釈液同士を混合してください。
これならなんとか大丈夫です。

カルシウムは、植物にとってチッソ、リン、カリにつづく重要な栄養素です。
しっかり効かせましょう!!

葉活酢(ようかつす)【1090g】醸造酢に卵殻を溶解して作った酢酸カルシウム肥料
葉活酢(ようかつす)【22kg】20L入りもあります。
高酸度のお酢も販売しています。
《高酸度-醸造酢(酸度15%)》【1L】 

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