栄養系の葉面散布剤と殺菌剤の関係を考えてみましょう。
バイオ・ガードという葉面散布剤があります。
海藻のエキスや酵素、微生物を配合した栄養系の葉面散布剤です。
これを散布すると、葉に栄養分が付着します。
この栄養分は5時間くらいで葉の中に吸収されます。
したがって、葉に長時間とどまるような展着剤等は必要ありません。
また、5時間くらいたてばその後、雨に流されても大丈夫です。
必要分はちゃんと吸収されています。
しかし、バイオ・ガードには有効な微生物も含まれているので、彼らは葉面にとどまっている必要があります。
※微生物の活躍の場は植物体内ではなく葉面上です。
ところが、彼らは生き物ですので、雨になど流されません。
そのまま強固に葉面にしがみついています。
なので、雨が降っても大丈夫!
一方で、殺菌剤。
殺菌剤は農薬ですので、葉に長時間留まっている必要があります。
なので、展着剤を使います。
雨に流されてもいけません。
なので、屋外散布予定の場合は天気予報に注意します。
※最近の農薬は耐雨性も向上しているようですが。
◇ポイント
微生物葉面散布栄養剤→すぐに吸収される
農薬殺菌剤→葉面に留まる必要がある
ここで、微生物葉面散布剤と殺菌剤をどう使ったらよいかという問題が起こります。
病害が発生したときなど、対策としてどちらを使ったらよいか?
順番は
- 殺菌剤を使ってリセット
- 次に葉面散布剤を使う
です。
基本的にどんな強力な微生物資材でも、病害が発生してしまっている場合、それを駆逐するのは難しいです。
病害を発生させる微生物が自分の縄張りを確保してしまっている以上、その後に抑える微生物を投与しても居場所がないからです。
そこで登場するのが、殺菌剤。
雑菌剤で葉面から微生物を一掃します。リセットです。
こうすると無菌状態になり、居場所が空きます。
この状態で葉面散布剤を散布すると空いた場所に善玉菌が居つくので、悪玉菌がよってきても居場所がないので居つくことができません。
結果、病害予防になるというわけです。
最初→殺菌剤、次→葉面散布剤はわかったけど、散布間隔はどうすればよい?
殺菌剤は葉面に留まり薬効を持続させる残効期間というのがあります。
殺菌剤よってこの期間は異なりますが、有機銅水和剤(ボルドー剤)など長いもので1週間くらいです。
なので、間隔は1週間と覚えましょう。
順番は
- 殺菌剤を使う
- 一週間空ける
- 葉面散布剤を使う
です。
※残効期間の長いもの…マンゼブ水和剤、プロピネブ水和剤、キャプタン水和剤、ボルドー剤など
バイオ・ガードは散布後1日でも効果が見えると評判の葉面散布剤です。
お試しください。