[396]植物ホルモン「オーキシン」
人間はその生命の維持にかかわる物質としてホルモンを分泌します。
同じように植物にもホルモンがあります。
ホルモンはその生体自身が作り出し、自身の生理活性、情報伝達を調節する機能を有する物質をいいます。
ちなみにホルモンに対する語はフェロモン。
ホルモンは自分に対して作用しますが、フェロモンは他の生体に対して生理活性、情報伝達をします。
さて、植物ホルモンはその植物がもともと持っているのですが、なかでも重要なのが「オーキシン」です。
◆オーキシンとは?
オーキシン( auxin )は植物体の細胞分裂に役立ち、その結果伸長を促すホルモンです。
発根促進、頂芽促進(側芽抑制)に役立つホルモンです。
子房や果実の成長肥大化や成熟の促進、また不用意な落葉や落果の抑制にも役立つといわれています。
花粉にはオーキシンが含まれ、受粉後そのオーキシンが子房を成長させ、果実が肥大成長する仕組みとなっています。
また種無しぶどうの成長ホルモンとして有名なジベレリンがありますが、ジベレリンもオーキシンを促進することで、この作用(単為結果の誘起)を得るものです。
オーキシンはこのように非常に有用なホルモンですが、それを人為的に与えることで収量の増大に結び付けることができます。
果実農家さんは農薬であるナフサク、フィガロン、オキシベロンなどを使用しますがこれらはオーキシン製剤です。
一般にはなかなか使いにくい農薬ですが、これに代わるお勧めの資材があります。
海藻資材のアスコ・シーグリーンです。
アスコシーグリーンは北欧の海岸一帯に繁殖する”アスコフィルムノドサム”という海藻を精製した海藻粉末で、ミネラル、微量要素、アミノ酸などの60種類以上の栄養素をはじめ、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリンなどの植物生長ホルモンを豊富に含んでいる理想的な資材となっています。
使い方は、簡単で、これを元肥、追肥として株元に撒くだけです。
あと手軽に葉面散布できるカルシウム海藻エキスもお勧めです。
こちらは即効性があります。
昔から海藻資材が良いといわれるのは、こういった成分を元々含んでいるからなのですね。