[378]クロピラリドという成分
今日は、クロピラリドという成分について少し話したいと思います。
※若干ネガティブ情報ですが、過度に反応しないようにお願いします。
クロピラリドは、輸入飼料に含まれる除草剤成分です。
牧草などを栽培する際に使われる除草剤ですが、この成分は飼料に含まれていても、そのまま排泄されてしまい家畜に悪影響を与えることはありません。
また、その飼料で育った畜肉を食しても人体に影響が出ることはありません。
除草剤成分というだけで拒絶反応を起こす人が多いですが、この成分は人畜無害です。なので海外では多く使われています。
※日本国内では使用されていません。
しかし、この成分が残留している畜糞堆肥を使った圃場で、トマト等のナス科、スイートピー等のマメ科、キク等のキク科の作物などを栽培すると、その生長を阻害することがあります。すでに20年ほど前から、栽培環境で時たま話題になります。
日本の畜産業では、ほとんど輸入飼料に頼っていますので、この成分はほぼ、どの畜糞にも含まれています。
牛ふんだけでなく、馬糞、とんぷん、鶏糞も同様です。
なので、この成分を忌避するのであれば、畜糞の資材を使わないことしかありませんが、動物の畜糞を農業で使用しない風潮になってしまうと、日本は使用されない畜糞であふれ返ってしまうので、農水省もあまり口にしないようです。
◆ポイント
・クロピラリドは輸入飼料に残留している成分
・クロピラリドは人畜無害
・その飼料を食した畜糞に残留する
・クロピラリドは土壌において分解しにくい
・キク科の植物の生長を阻害することがある
・水稲に使用しても影響はない
もし、マメ科、ナス科、キク科の植物を栽培していて、畜糞堆肥を多く使用していて、生長が芳しくない場合は、この成分を疑いましょう。
しかし、この成分は分解が遅く、土壌に相当長期間残留するようですので、対策としては土を全部取り替える、かあるいは土壌環境を整備して、植物の免疫力・抵抗力を増すしかありません。
◆対策
・土を全部取り替える
・大鉢によるコンテナ栽培に切り替える
・畜糞堆肥を使わない
・植物性の腐葉土などを使用する
・微生物資材を使って土壌環境を整え、植物自体の抵抗力を増す
ちなみに当店扱いの牛ふん堆肥「ちから堆肥」の測定値は「< 0.01 mg/kg」となっていて、この値は定量下限値未満であり、検出されなかったことを意味するものです。
◆参考情報
農水省クロピラリド関連情報
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/clopyralid/clopyralid.html