クリーニングクロップは = cleaning(掃除する)crop(作物)
という意味です。
たとえば畑に毎年牛ふん堆肥を投入していると、カリ分が蓄積します。
また、リン酸も固定されて残留します。
窒素分も消費できず残ったりします。
そこに、新たに8-8-8などの肥料を再投入したらどうなるか?
当然、肥料過多になり、作物は育ち悪くなります。
このように、長年堆肥を投入していると、土中の栄養バランスがどうしても崩れてきます。
このような時は一旦リセットする必要性が出てきます。
以前コラムで「肥料は引き算ができないのでやりすぎないこと」と書きました。
まさにそのとおりで、引き算はできません。
https://www.tama5ya.co.jp/agribiz/clmn/2016/06/228.html
しかし、ある技を使って、土中の余分な栄養を除去する方法があります。
それがクリーニングクロップです。
クリーニングクロップとは養分吸収能力の高い作物を休閑期に栽培し、それを収穫してハウスの外に持ち出す作物のことを言います。
※緑肥だからといってそのまま鋤きこんではいけません。圃場から搬出しないと意味がありません。
特にその能力の高いのが、トウモロコシ、ソルゴー、ギニアグラスなどのイネ科作物です。通常は緑肥として使う作物ですが、クリーニング効果も高いです。
特に窒素やカリが過剰なときに効果がある作物がこれです。
1位:トウモロコシ
2位:ギニアグラス
3位:ソルゴー
※これらはチッソと加里に関しては効果がありますが、リン酸に関しては前回のコラムで書いたアーバスキュラー菌根菌の活用を心がけてください。
植えておくだけで圃場の過剰塩類を吸収、搬出することにより、土壌塩類集積を回避できるクリーニングクロップ。
対策のひとつとして心しておきましょう。