酸度とは酸性とアルカリの度合いを言うことが多いです。
また同様にpH(ピーエイチ、ペーハー)を使うこともあります。
しかし、厳密には両者は異なります。
酸度は水素イオンの総量で、酢酸換算で4.5%などと表示します。
一方でpHは水素イオンの濃度で単なる数値で表します。
強酸性2、中性7、強アルカリ11…etc.
で、ここでは、紛らわしいので酸性度という言葉で話を進めます。
酸性度が低い=pHが低い=強酸
酸性度が高い=pHが高い=強アルカリ
本題になりますが、土壌の酸性度を変える話です。
畑に毎年肥料を与えていると、肥料分として作物が吸収した後の残り=硫酸根などが残り、酸性に傾きます。
また酸性雨などの影響で、土壌が酸性になりやすい、とも言われます。
これを矯正するために石灰などのアルカリ資材を撒いて、酸性度を調整するわけです。
ところが、この石灰を撒く習慣的作業ですが、酸性度をよく測らずに毎年行うため、結構アルカリに傾き過ぎている畑が多いのです。
アルカリに傾くと、肥料分が固定されてしまうので、肥料をいくらやっても効かなくなってしまいます。
これでは困りますので、酸性度を下げることが必要になってくるのですが、これが結構難しい。
酸性に傾けるには、酸性の資材を使います。
硫酸や塩酸、酢酸などが使えますが、これらは劇物なので危険ですね。
そこで登場するのが、硫黄を成分とした資材「サンドセット」です。
名前からして酸度とサンドをかけているのでしょうか?
この資材は育苗用なのでpH4.8-5.3になるように勧めていますが、その他の作物にも使えます。
参考値:
pH5.5に設定する場合(深さ2cm/1平方mあたり又は用土20Lあたり)
砂土…50g(0.25%混和)
沖積土…100g(0.5%混和)
洪積土…200g(1%混和)
※沖積土とは河川流域で山の腐葉土等が流れてきて堆積したような土
※洪積土とは火山灰が降り積もった土(関東ローム層、赤土、黒土も洪積土)
大体0.5%~1%くらいの混和量で大丈夫と思います。
ただし、酸性度を下げるには、結構難しく、理論通りにはいきません。
効果が発現するまで数か月かかる場合もあるとのことですので、少量を試しながら、使用量を決定してください。
酸性を好むシャクナゲ、サツキ、ツツジ、茶、リンドウ、スズラン、パイナップル、マンゴー、ブルーベリーなどにどうでしょうか。