連作障害を解決する方法の一つとして土壌殺菌があります。
これは連作障害の原因が土壌内微生物の不均衡にあり、病原菌が大手を振って活躍してしまう場合に対策します。
一度土壌をリセット(無菌状態)にする方法です。
その方法としては、臭化メチルなどのガス剤を使う方法がありました。
現在は使用禁止になったため、農薬登録のクロルピクリン、D-Dなどが使用されています。
これらは強力ですが有毒でもあるくん蒸剤で、作業にも周辺環境にも取り扱いに慎重さが要求されます。
周辺に住宅地があったらほとんど使用不能です。
より安全で、農薬を使わないで土壌消毒を行う方法はないものか?
あります!
土壌還元消毒用資材「エコロジアール」を使った消毒法です。
エコロジアールの成分はエタノール(アルコール)ですが、このエタノールで殺菌をするものではありません。
希釈した低濃度エタノールを土壌に投入することで、これを栄養分として利用する土壌微生物が増殖して酸素が消費され、土壌中の環境が無酸素(還元)状態となることで病原性の土壌微生物などを減少・死滅させる資材です。
従来の糖蜜やフスマを使った土壌還元消毒と同じ原理です。
農薬ではないことによる安全性…
・クロルピクリン、D―Dなどに比べ割高ですが、農薬ではないため安全に作業ができる。
・臭気、汚染のリスクが少ないため住宅地や公共施設の近隣でも使いやすい。
・エタノールは農薬ではないので、成分数のカウントには含まれない。
・土着微生物はある程度維持されるため、病原菌による再汚染を長期間抑制できる。
この消毒法の特長として…
・土壌消毒において禁止された臭化メチルに代わる資材として有望。
・土壌内の好気性条件への回復が早い。
・深層部まで処理が可能。
・雑草抑制効果もあり。
デメリット…
・10aあたりのコストは20~30万円ほどかかりますが、処理作業および処理後の後の安全性や効果などを考えるとリーズナブルです。
・処理時に被覆作業などが必要で、土壌還元消毒は手間がかかる。
低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒による抑制効果が認められた事例としては以下のような事例があります。
トマト、キュウリ、大根…ホモプシス根腐病
イチゴ、ピーマン、サツマイモ…青枯れ病、萎凋病
ほうれん草、チンゲン菜…半身萎凋病
サヤインゲン、インゲン…萎黄病、炭疽病
メロン、アスパラガス…褐色根腐病
レタス、ミズ菜、ヤマノイモ…根こぶ病
ルリトウワタ、スイカ…疫病、白絹病
花卉類(ストック等)…黒点根腐病
果樹(モモ、ウメ等)…ネコブセンチュウ
「エコロジアール」は製造は国に認可された大手アルコール製造会社の製造であり、またこの資材を使った土壌消毒は農水省も推奨しています。
次世代の土壌消毒法として有望な低濃度エタノール土壌土壌消毒をお試しになってみてはいかがでしょうか?