『ぼかし肥料を作りたいので材料を教えてください?』
という質問をよくいただきます。
ぼかし肥料とは、有機物を発酵させ、その輪郭がぼかしたように不鮮明になっているので「ぼかし」といいます。
肥料は市販品がいくらでもあるのに、あえてぼかし肥料を作りたいというのはどういうことなのでしょうか?
そこには市販の肥料には無い、効能があるからなのです。
まず、ぼかし肥料を作る目的を明確にしましょう。
キーワードはアミノ酸です。
ぼかし肥料は有機物を複数合わせ、発酵菌によってアミノ酸を生成させることを目的とします。
アミノ酸は蛋白質の合成に関わっており、窒素よりも格段に生長を促進するからです。
窒素→光合成を経て→アミノ酸→蛋白質生成
アミノ酸を直接与えれば、光合成を経ることなく吸収されます。
この窒素をアミノ酸に変える作業を微生物にやらせる→これが「ぼかし」です。
だからぼかし肥料を使うわけです。
こう整理すると、使う材料は有機物+微生物であることがわかります。
余計なものは入れません。
色々入れたくなりますが…
微生物補給に…
米ぬか、くん炭、もみ殻、落ち葉など(素材に先住している微生物を活用)
そのほかに…
ゼオライト、硫安、ブドウ糖、過燐酸石灰などを使う場合もあります。
海藻やステビアにも独自の微生物が付着しているのでそれを使う人も居ます。
(その人の流儀によります)
これらを混ぜ、水分を40%~50%にして発酵させます。
炭素率(C/N比)は10以上にします。
湯気が出るほど発熱し、白いカビ状のものが蔓延すれば成功です。
発酵がうまくいけば甘い発酵臭がします。
腐敗臭がすれば失敗です。
作る量が少なくても失敗します。
農家さんでは1トン単位で作ります。
これが第一段階です。
これで完成ではなく、続けて微生物リレーをして、完成まで1ヶ月かかります。
ぼかし肥料は人それぞれ流儀があるので、本などを参考にし、方法はどれか一つに決め、それをまずは実践してみることです。
いろいろな情報を混ぜ合わせてやると失敗するでしょう。
しかも失敗の理由が切り分けられず、改善方法が不明となります。
ぼかし肥料を作るのは難しいです。
ほとんど趣味の領域です。
うまく出来ればいいですが色々試してうまくいかない場合が多く、そのために当店ではぼかし肥料を販売しています。
ぼかし肥料一覧
【ポイント】
・アミノ酸生成を念頭に置く
・いろいろなものを混ぜすぎない