今日は緑肥のお話です。
緑肥というと、まず一番先に思い浮かべるのは「レンゲ」でしょうか。
レンゲは春先に可憐な花をつけるマメ科の植物で、空中の窒素を根粒に固定し、それが窒素肥料になるので緑肥といわれ、これは学校でも教わったと思います。
でも、最近の緑肥はすごいのがいっぱいあるのです。
その中でも、リビングマルチといわれる麦を紹介しましょう。
麦は寒い時期に生育し、暑くなると枯れます。
この性質をうまく利用した優れた緑肥なのです。
品種は3種類あり「百万石」「てまいらず」「マルチムギ」。
いずれもまだシーズン前だというのにがんがん売れています。
この麦は畑の作物の間作に使います。
つまり作物が植わっている畝と畝の間にタネを播きます。
播く時期は4月頃。
播かれたタネはやがて芽を出し畝間の雑草を強力に抑制します。
これはアレロパシーという「植物が放出する化学物質が他の生物に阻害的」効果。
麦が旺盛に生育し他の雑草を寄せ付けないのです。
除草剤はいりませんね。
そしてメインの作物の生育期には土壌を被覆し、乾燥防止、泥防止により病害防止に役立ちます。照り返し暑さ防止、防虫防風効果もあります。
7月~8月、メインの作物の収穫期になると、リビングマルチの麦はさっさと枯れ始めます。
雑草を抑制した後に、完全にキレイに枯れてくれます。
そしてこれをすきこむことで、肥料になるというわけです。
何もしなくても…
1.雑草抑制
2.土壌マルチ
3.枯れて肥料
まさに【手間要らず!!】
一粒で三度役立つマルチムギをあなたも使ってみませんか?
早枯れ品種「百万石」大麦【1kg/約300平方m用】
基本品種「てまいらず」大麦【1kg/約300平方m用】
遅枯れ品種「マルチムギ」小麦【1kg/約300平方m用】
◆リビングマルチまとめ
低コスト…ポリマルチや敷き藁の代わりになります。
省力化…自然に立ち枯れしますので、収穫後の後片付けが不要です。
土壌保全…傾斜畑の表土の流亡や飛砂の防止になります。
作物保護…夏季の表土の乾燥防止、湿害対策、泥はね減少で病害抑制に効果あり。
省農薬…雑草抑制で除草剤の軽減や、土着天敵の温存で殺虫剤散布の軽減に繋がります。