[109]ゼオライトによる放射性物質吸着【まとめ】

福島原発事故による放射性物質汚染が今なお問題になっています。福島県だけでなく関東各地にホットスポットといわれる局所的に放射線量が多い地域も見つかって、該当する行政は除染対応に追われています。しかし行政を待っていたのではいつになるかわかりませんので、市民の手でできることから始めたいものです。

放射性物質で問題となるのは、セシウム137です。強力なガンマ線を放出し、人体に影響が出ます。これを吸着できるのが、ゼオライトです。ゼオライトは多孔質の凝灰岩で土壌改良材として有名な資材です。

家庭菜園にゼオライトを散布することでセシウムを吸着し、作物が吸収するのを未然に防ぎます。野菜の苗を植える前に、ゼオライトで事前処理しておきましょう。ゼオライトは硬質のものが粒の崩れが無くお奨めです。菜園での吸着目的の場合は粒の細かさは1.5mmを使います。

撒く量ですが、通常は1000平方メートルあたり100kgが目安ですが、セシウム吸着目的の場合は100平方メートルあたり100kg使います。およそ10倍の量を使うわけです。

これを菜園の表面に満遍なく散布し、そのまま放置。耕起しません。

1週間~10日ほどでゼオライトはセシウムを吸収します。そうしたら天地返しをします。表土を下に、下にあった土を上にします。

この段階で、放射線量は減少しているはずで、一応「除染ができた」といえると思います。

#本当は表土を廃棄するのが望ましいが現実的に困難

次に、野菜の苗を定植する際ですが、元肥としてカリウムを十分に与えます。

カリウムはセシウムと構造が似ており、植物はカリウムがあるとセシウムに先立ち吸収します。カリウムを優先的に吸収した植物は、セシウムを取り込むことは少なくなります。カリウムの施肥量は100平方メートルあたり4-6kgほどです。

《ポイント》

・ゼオライトを撒く
・1週間放置
・その後天地返しをする
・定植の際に、カリウムを十分与える

これで、安全な野菜が収穫できるはずです。ぜひお試しください。

【関連資材】
硬質ゼオライト(1.5mm粒)20kg
「速効性の根肥」硫酸加里(硫酸カリウム)【1kg】(イモ類、根菜類可)
塩化カリウム60%「放射性物質対策に」【1kg】(イモ類、根菜類不可)

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