有機質の肥料、たとえば油粕を畑にまきます。すると土中の微生物がやってきてこれをアンモニア態窒素に分解します。
次にアンモニア態窒素は硝化菌という微生物によって亜硝酸態あるいは硝酸態窒素に変わります。硝酸態窒素を植物は根から吸収し体内に取り込みます。
植物の光合成などの営みにより、作物の体内で硝酸態窒素はアミノ酸に変わり、やがてたんぱく質に変わって植物の細胞要素になります。つまり「生長」です。
アンモニア態窒素
↓
硝酸態窒素
↓
アミノ酸
↓
たんぱく質
窒素といってもこれだけの変化がありますので、肥料を与える場合は、どの段階なのかで与える時期が異なってきます。
元肥えには分解に時間がかかってもよいアンモニア態窒素以前の肥料を与えますが、収穫間際になってこれを与えても効きません。
追肥として与えるなら、硝酸態窒素が適します。硝酸態窒素はすぐに効きますから、翌日にも目で見て確認ができます。
しかし即効性の硝酸態窒素であっても日照不足の場合は光合成ができませんから、効きません。
そういう時は、硝酸態窒素よりさらに進んだアミノ酸入りの液肥を追肥として与えます。
葉物野菜など、短期決戦の作物の場合は、植物の生長点をよく観察しながら与える肥料をコントロールしてください。肥料のタイミングは植物に聞け!ということです。