[74]超音波で微生物を呼ぶ「粉炭」

秋から冬にかけてお奨めしたい資材が炭(粉炭)です。水分を保持し、地温を上げ、寒風から作物の根を守ります。農家では毎年せっせと炭を畑に補給します。炭はいくらでも畑に入ってしまいますが、永年変化せずいつまでも炭のままなので、毎年の補給でその効果も徐々に高まっていきます。目減りしない貯金みたいなものです。

炭を畑に撒くとなぜか植物の育ちがいい。炭の効力は昔から経験的に知られていていましたが、なぜ効くのかは謎でした。しかし最近になってその効力の仕組みが解明されてきたのです。キーワードは超音波です。

炭の効果についてよく言われるのが「微生物の棲家になる」とか「有害な毒素を吸着する」とかです。しかしこれらは正しくありません。炭が微生物の棲家になるといえばそのとおりですが、何も炭でなくとも土の中には微生物の棲家はたくさんあります。

炭が微生物を増やすのは、炭自体が超音波を出すからです。そしてその超音波を好む微生物が最初に集まり、その微生物がその他の微生物を呼ぶのです。こうして炭の周りには微生物がびっしり繁殖するようになる、ということが最近解明されました。

炭が「超音波を出す」といってもちょっと不思議な感じがしますが、炭は太陽光や空気中に行きかう電磁波を受け止める性質があります。そしてそのエネルギーを炭は超音波に変えるのです。こういった作用は炭だけが持つ特長です。昔から農家が経験的に使ってきた炭は大変な能力があったのですね。

炭はプランターや鉢植えには容積率で10-20%ほど混和します。また畑には1平方メートルあたり1リットルを目安に散布し軽く耕耘します。炭は軽いのでそのままにしておくと雨や潅水時に流れてしまうからです。

皆さんも秋冬野菜の栽培、果樹の植付け、春先の花物などに粉炭を使ってみてはいかがでしょう?

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