[72]硫安と尿素
硫安と尿素は共に代表的な窒素肥料です。しかし性質は結構違うもので、実際に使用する場合はその性質をよく知っておくと、うまく使うことができます。
・硫酸根肥料
・化学的中性肥料
・生理的酸性肥料
・無硫酸根肥料
・化学的中性肥料
・生理的中性肥料
上記、比較表をみてわかるように、硫安は硫酸根(SO4)を持つ肥料です。硫安を畑に撒くとアンモニアが窒素分として植物に吸収されます。残るのは硫酸根です。この硫酸根は土壌を酸性にしますので、アルカリ性の資材を撒くなどして中和する必要が生じます。
化学的に中性というのはアンモニアが分離していない硫安の状態は中性という意味で、肥料としてアンモニアが吸収された後は硫酸根の作用で酸性になるので生理的酸性肥料と呼ばれます。
一方で、尿素は、硫酸根を含まないため「化学的にも中性」、肥料として活躍した後も中性のため「生理的にも中性」となります。
酸性根を含む硫安に比べると、穏やかで中性の尿素の方が使いやすい肥料ということができます。
こう書くと硫安はよくない肥料というイメージが付いてしまいますが、そんなことはありません。硫安に含まれる硫酸根は、硫黄ですから、硫黄成分による土壌改良効果が期待できます。
ただし、この硫黄分も、土壌中に鉄分不足になるなど微量要素が減ると、硫化水素の発生源となり、やはりよくありません。ということで、やっぱり使いやすいのは尿素ということになりましょうか。
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