[66]読者Q&A『たまねぎの灰色かび病対策』
◆読者からの質問
タマネギに灰色カビ病が発生するので、これを防ぐ商品あれば教えて下さい。
(宮城県、K様より)
◆たまごやの回答
灰色カビ病はすべての植物に発生する病気で、露地では3月~12月(4~7月、10~11月が特に多い)、温室では12月~4月に多く発生する病気です。
このたび、たまねぎの灰色カビ病についてお問い合わせがありましたので、対策をご提案いたします。圃場によって多少対策が異なると思いますが、基本的に農薬を使わない方法です。
【対処療法】急を要する場合
すでに灰色カビ病が発生している場合、これを抑える資材としては「青蘇」がお奨めです。「青蘇」は植物保護液として開発されたものでその主成分は植物に含まれる多糖体です。この多糖体が植物の防御タンパクを作り外敵から身を守る能力を向上させます。青蘇はカビに対して効果が高い製品となっています。似たような製品としてアサヒビールが開発した「豊作物語」がありますが、これより効果が高いものと認識しています。
※2013.01.17追記:青蘇は販売終了しました。
【内部的改善療法】やや急を要する場合
カビ菌に対し植物の抵抗力を高める方法があります。つまり「樹を締める(強固)」にする方法です。トーマスくんと海藻のエキス各1000倍位の葉面散布でカビ菌に対する抵抗力を高めることができます。この場合窒素成分を控え微量要素中心にすることがポイントです。
【土壌改善】長期的視野に立って改善する方法
そもそも、カビ菌が蔓延するのはそれを抑える微生物が居ないことに起因します。微生物のバランスを整えるには年数はかかりますが、トーマスくんを使えば比較的短期に総合的土壌改善することが可能となります。健康な土壌からは病害が発生しにくいものです。
熊本県でトーマスくんを使用して玉ねぎを栽培し、好結果を得ている実例を示します。熊本県球磨郡あさぎり町地内で有機栽培にこだわり栽培しておられる方で、本作より自然環境農法を採用し結果に大満足されています。形状・秀品率が85%以上で甘味も良く申し分なく裏作の稲作にも期待していますとのことです。
使用資材(10aあたり)
基肥として堆肥1トン
馬糞堆肥30袋
ミネラルこんぶ5袋
を植え付け1 ヶ月前に施用し
トーマスくん5リットル
を散布し養生。生育期初期と肥大期初期にトーマスくんと穂宝源を2リットルずつ混合し葉面散布。
灰色カビ病にお悩みの方はぜひ参考にして対策してください。
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