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[22]石灰を肥料として使う

ニコル

写真は「ニコル」

石灰というと、酸性土壌のペーハーを調整して中和し、肥料効果を高める土壌改良材として知られています。特に秋野菜などは温度が下がっていく冬に向うため生育期間が限られているので、すばやい肥効を期待するため、この時期の石灰散布は欠かせないものとなっています。そんな石灰ですが、土壌改良材として使うのではなく、肥料として積極的に使う方法があります。

石灰はご存知のようにカルシウムがふんだんに含まれています。有機石灰といわれる貝化石石灰や卵殻石灰はカルシウムの宝庫です。また無機石灰といわれるものも、原料となる石灰岩はもともとサンゴ礁であるため、カルシウムは豊富です。カルシウムは植物にとっても有効な栄養素であるため、これを見逃す手はありません。

石灰を肥料として使う方法は実は簡単です。生育中の植物作物にそのまま撒けばよいのです。根元に撒けば、肥料を土壌潅水するのと同じように植物は根から吸収します。葉に付着するように撒けば、朝露などが媒体となって葉面散布と同じように葉から吸収します。つまり液体の追肥と同じような感覚で行なえばいいのです。

石灰を肥料として与えるとどういう効果があるのか?

まず、カルシウムは植物に抵抗力をつけますので病虫害に対して強くなります。
またカルシウムは土壌の微生物も活性化し、土壌ペーハー改良の相乗効果で植物自体に元気が出ます。

・ジャガイモはおいしくなり、ホクホク感が出る
・イチゴは肥大し、日持ちがよくなる
・キュウリ、ピーマンのほとんどの病害を抑える

石灰は土壌と結合し、すぐに効果がなくなるので、毎月一回の割合で定期的に散布する必要があります。あるいは、薄くまばらに撒くと結合がたやすくなるのでむしろ根を囲うように3cmほど厚く層になるように与える方法も効果的といわれます。石灰で根が傷むことはありません。

今までの先入観を捨てて石灰を追肥肥料のように与えてみてはいかがでしょうか。使用する場合は消石灰ではなく有機石灰をお奨めします。

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