◆読者からの質問
造園会社です。公園の管理を行っておりますが、藤の花付きが悪く、花が咲いても数が少なく、小さいものばかりです。剪定等で様々に工夫してみましたが、改善が見られません。藤の植栽場所は小さな植桝の中なので施肥を行う事をためらっていましたが、原因はリン酸系肥料の不足だと考えられます。藤の木1本当りの施肥量を教えてください。幹周りを基準にするのでしょうか。又は藤棚面積を基準にするのでしょうか。また、根元周りに散布するのでしょうか。あるいは、小穴を掘って埋設するのでしょうか。
◆たまごやの回答
お便りありがとうございます。
藤の花が小さいということですが、原因は二つ考えられます。
【樹勢がある場合】
葉は青々とし、枝葉が多く伸び、見るからに元気のある状態なのに花が咲かない、あるいは花が小さい。
このような場合は、チッソ過多もしくは相対的にリン酸不足です。バットグアノが効果を発揮します。
【樹勢がない場合】
葉が少なく、色悪く、枝葉の勢いがない場合は、生理障害を疑います。根が十分に伸びていない、細根が少ないなどの障害が外観に現れます。このような状態の場合は、生理障害となっている原因を取り除くことで回復します。
・土壌が固くなっている
・微量要素が欠乏している
・根が阻害されている…など
このような場合は、バットグアノのような肥料ではなく、土壌のバランスを回復するキトサン溶液やアープトーマスオルガ菌をお勧めします。
また、「小さな植桝の中」というのが気になります。藤は表土近くを匍匐状に根を広げる植物ですのでそれを阻害すると元気がなくなると思います。
生理障害を回復しないまま施肥するとかえって状態は悪くなります。樹勢が回復してから、バットグアノなど花に良い肥料を与えてください。
施肥について。幹の直径が10cm、2x3間の藤棚として、施肥量は2~5kgでしょう。これを細根が伸びていると思われる箇所に散布します。一箇所にまとめないで、広く撒いてください。土はかぶせてもかぶせなくてもどちらでもかまいません。樹勢をよく観察し、状況を判断なさって処方してください。