◆読者からの質問
松(五葉松)が勢力を失いつつあり、葉が枯れてきています。キトサン溶液の使用方法を教えてください。
◆たまごやの回答
お便りありがとうございます。
松枯れにつきましては、カミキリムシが媒介するマツノザイセンチュウによる被害であるとされてきましたが、臨床報告によれば、松枯れの松からマツノザイセンチュウが発見されていない場合も多く、また太古の昔から存在するカミキリムシまたマツノザイセンチュウが原因であれば、とっくの昔に松は絶滅しているともいわれています。
昨今の松枯れの原因は、生態環境ではなく、生育環境の悪化によるものであるという説が有力です。具体的には、地下水の汚染、土壌の富栄養化、酸性雨などです。
いずれにしましても、松枯れに瀕している松を救うには、松自体が持つ生命力の回復に依存するしかありません。そして、キトサン溶液はその目的を達成するに大いに利用価値のある資材となります。キトサン溶液は細胞自体を強固にし、また活性化する力があるからです。
お尋ねの松の大きさがわかりませんので、盆栽のような鉢物、庭木と分けて解説いたします。
【事前処理】
枯れ枝、枯れ葉を取り除きます。葉はグリーン色をしていれば、その葉はキトサン溶液を吸収しますので、大事にします。枯れた葉からは吸収しませんので取り除いてしまってかまいません。また、そのときに注意すべきは枯れた葉の直下の根です。この根が傷んでいる可能性が高いので、集中して浸漬します。
【鉢植えの場合】
鉢植えの場合は、鉢の中の根がキトサン溶液にどっぷり漬かる必要があります。鉢が漬かるような容器を用意し、そこにキトサン溶液100倍液を満たし、どっぷり漬けます。30分くらいでいいでしょう。
このときに、幹や葉にも100倍溶液をかけます。ひしゃく様のものでびしょびしょにしてしまってかまいません。十分に浸ったら、鉢を上げ、いつもの場所に戻します。これを1ヶ月に一度行い、半年くらい続けてください。
【庭木の場合】
庭木の場合は、樹幹に沿って土手を作るように水鉢を作り、水がたまる様にします。そこにキトサン溶液100倍液をバケツなどで注ぎます。樹幹10cmほどの木で100倍液を50リットルほど使います。たっぷり与えて、根に十分浸漬するようにします。樹幹や葉にも同様にふりかけます。葉に届かないようであれば、噴霧器で散布してください。これを1ヶ月に一度行い、半年くらい続けてください。
効果は1ヶ月ほどで現れてきます。樹幹に小さい傷をつけて樹液が確認できれば回復しています。
キトサン溶液は、通常の農業園芸用でも効きますが、重症の場合は松枯れ専用キトサン溶液をお使いください。より吸収しやすく調整されています。