海藻は土壌に60種類以上のミネラルを補給し、作物の糖度やおいしさをアップするということで、生産農家では最近多く使われている資材です。
たまごや商店でも、海藻を販売しておりますが、今日は肥料・飼料として販売されている海藻粉末を比較してみます。
まず、ノルウェー産の海藻粉末「アスコシーグリーン」という製品です。袋を開けてみると、ぷーんと海藻の香り。昆布にも似た良い香りです。粉末になっているのでちょっとつまんで見ますと砂のような重量感があります。そういえば25kg入りとある袋は意外とコンパクトですが、ずっしり重たい。
これはもしかしたら砂などの不純物が混じっているかもしれない。そんな疑惑が頭をよぎります。早速粉末を水で溶かしてみます。すると、するすると沈んでいきます。これは砂じゃないか?
そんな疑問を持ったまま、底に沈んだ粉末を取り出し、指でこすってみると、ぬるぬるすると同時に崩れて指先になじんでしまいました。砂のように残ることはありませんでした。
アスコシーグリーンは細かく粉砕しているため、砂のように比重が大きいのです。海藻自体には空気を含んでいますが、粉末にした段階でその空気が抜けて結構重い粉末であることが判明しました。
不純物も含まれていませんし、純度も高く、品質も高そうです。別項ですが「アスコシーグリーン鍋」にして食べてみましたが、出汁としてもおいしくいただけました。安心してオススメできる海藻資材です。
次にフィリピン産海藻粉末。これはフィリピンや中国の沿岸部で取れるホンダワラを粉末にした海藻資材です。
アスコシーグリーンに比べ同じ量目の25kg入りですが一回り大きな袋に入っています。開封してみると、やはり海藻の香りがしますが、やや人糞にも似た有機質な香りがします。アスコシーグリーンがおいしそうな香りがするのにいたいして、こちらはおいしそうという表現は当てはまらない香りです。保管する場所もアスコシーグリーンは室内保管が可能ですが、フィリピン産海藻粉末は雨のかからない場所での室外保管をオススメします。
粉末の状態はメッシュ10とのことですが、かなり荒い感じがします。重量感もアスコシーグリーンほどなく、ふんわりした乾燥粉末という感じで撒きやすい状態になっています。
フィリピン産海藻粉末とアスコシーグリーンの成分の違いは、ほとんど同じと見ていいでしょう。しかし、生息する海域の違いで、日照の少ない北欧の海で育ったアスコシーグリーンのほうが、アルギン酸などの成分量は高そうです。
ちなみに、フィリピン産海藻粉末、アスコシーグリーン共に、動物性タンパク質を含まない、A飼料の認定を受けています。動物性タンパク質は狂牛病など病原菌を含むことがあるので厳しく規制されています。その点で安心して使用できる肥料・飼料ということができます。